現代は、高ストレス社会・高齢化社会とも言われ、その中で、誰もが健康長寿を全うしたいと思っています。このような社会情勢の中で「人間らしく健康・長寿」を保つには、健全な脳機能の維持が必要です。
脳の機能で重要な役割を果たしている脳内神経伝達物質は、アミノ酸から合成されており、これまでの研究は、各種食品成分が脳内神経伝達物質を比較的容易に変動させることを明らかにしてきました。また、それに伴うある種の脳機能(行動、食欲、睡眠、記憶・学習能、感受性、情緒、パフォーマンスなど)も変動することが明確になりました。今回は、本研究室での「心身ストレスなどに対する抗ストレス作用」研究に重点を置き、幾つかの例について紹介します。
<講演内容>
1.はじめに:文部科学省大型プロジェクトへの取組み、21世紀COE、グローバルCOE、都市エリア産学官連携促進事業について
2.食品成分と脳機能研究の研究手法:
3.緑茶成分テアニン(γ?グルタミルエチルアミド)による脳神経作用に関する研究:動物実験とヒト介入試験、商品開発
4.ギャバ(GABA:γ?アミノ酪酸)による脳神経作用に関する研究:動物実験とヒト介入試験、商品開発
5.柑橘香気成分などによる脳神経作用に関する研究:動物実験とヒト介入試験、商品開発
6.商品開発のトレンドと動向:
※本研究室では、食品成分の栄養的代謝特異性に関する研究を通じ、最近では、特に、脳内神経伝達物質の代謝変動と脳機能、また、情動に関する研究に取り組んでいます。
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