第54回(平成21年度第4回)のご案内を差し上げます。 今回は、東海大学より下記のような内容でご講演いただきます。大学の一部を知ると同時に、先生方との交流も持っていただき、今後の企業活動に活かしてもらえばと考えます。 多数のご来場をお待ちしております。
東海大学
講演1 『“食の安全”と国際規格』
東海大学 海洋学部水産学科 荒木 惠美子 教授
昨今、“食”にかかわる事件がしばしば社会問題化するが、喉もと過ぎればその熱さは忘れられてしまうようである。とくに昨年は冷凍餃子、汚染米、産地偽装などさまざまな問題が発生した。それらの原因を“食品安全ハザード(Food safety hazard)”の視点から振り返ると、むしろ“Food security hazard”というべきもの、あるいは安全とは関係のない法令順守上の問題などに分類される。 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は“食品安全ハザード”を管理するシステムである。HACCPはだれでも利用可能なフリーツールであり、事実上の国際標準となっている。HACCPを義務化している国も多いが、わが国では未だにHACCPは“金がかかるもの”と誤解されている。本講演ではHACCPの本質を分かりやすく紹介する。 一方、“金がかかるもの”の代表に挙がるかもしれないISO規格のひとつに、ISO 22000(食品安全マネジメントシステム)がある。ISO 22000はHACCPをマネジメント規格に組み込んだもので、2005年9月に発行した。演者はISO/TC34/WG8のメンバーとしてISO 22000の作成に携わったことから、自己評価にも使える本規格の概要と最近の動向を紹介する。
講演2 『 “光を使った測定器” 〜われわれの新しい取り組み〜 』
東海大学 清水教養教育センター 大石 友彦 教授
水質(水源)管理では、窒素、リンあるいは重金属を用いた指標が用いられます。 しかし、採水や前処理等が必要であるため結果が出るまで時間が掛かり、迅速対応の問題があります。その解決法として水中に存在する植物プランクトンに着目した検出法があります。 新しい分光法を用いた光学測器の開発を行ない、特許を取得しました。現在、植物プランクトンの迅速測定を可能とする、水中投入型光学測器の製品化に向けて、企業と共同開発を始めました。本装置は、アオコ(淡水)、赤潮(海水)の予兆補足、さらには食品管理への応用も考えられます。講演では分光法の概略と特徴、および開発した光学装置について話します。下図は新型光学測器で測定した3種類の植物プランクトンの結果です。種類によってパターンが異なる事が分ります。