「開催日時」 |
平成22年10月29日(金)
講演会/17:00~18:30
交流会/18:30~19:30 |
「会場」 |
講演会/静岡商工会議所清水事務所 5階 会議室
(※旧清水商工会議所:静岡市清水区相生町6-17)
交流会/同 7階 産学交流サロン |
「内容」 |
講演1
『小腸で消化されないデンプンの生理機能』
農学部 教授 森田達也 氏 |
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通常、デンプンを多量に摂取しても、糞便中にデンプンは検出されない。このことから、 従来、摂取したデンプンは、小腸で完全に消化・吸収され、その100% がグルコースとして吸収されると考えられていた。
しかし、その後、回腸造瘻術(かいちょうぞうろうじゅつ)
を受けた患者がデンプン性食品を摂取したとき、糞便に相当量のデンプンが回収されることがわかった。デンプン性食品の中には消化抵抗性を示すデンプン、すなわちレジスタントスターチが含まれているのである。
大腸に流入したデンプンは腸内細菌によって発酵を受け、主に短鎖脂肪酸などの有機酸に変換される。短鎖脂肪酸は大腸上皮細胞のエネルギー源になるだけでなく、抗炎症作用、発がん抑制など多彩な生理作用を発現することが明らかになって
きた。講演ではそれらの一部について紹介します。
(注1) 回腸造瘻術(かいちょうぞうろうじゅつ):外科的に小腸の末端から腹壁に開口部をつくる手術で、結腸癌の患者などに施される(人工肛門)。
(注2) レジスタントスターチ:小腸で消化・吸収されず大腸に流入するデンプンの総称。 |
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講演2
『肝臓発生学とその再生医学への応用』
理学部 教授 塩尻信義 氏 |
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Keywords: 再生医学、ES細胞、幹細胞、肝芽細胞、肝臓、発生学
種々の肝疾患の治療において、臓器移植治療は大きな位置を占めつつあるが、ドナー肝臓は著しく不足している。他方、ES細胞やiPS細胞をはじめとして種々の幹細胞が続々と報告され、これら幹細胞から作った肝臓を移植治療などに応用することに、大きな期待が集まっている。
しかし、残念ながら、幹細胞から完全な肝臓構築までには至っていないのが現状である。幹細胞から肝臓を構築するにあたり、母体内にある胎児の肝臓の正常発生を調べることで、そこから学べることは非常に多いと思われる。幹細胞からの肝臓構築も、肝臓の正常発生の経路をとってはじめて可能となるかもしれないのである。発生の過程で肝臓を作るタネの細胞も幹細胞としての性質をもつし、発生過程における肝細胞の分化メカニズムや肝臓構築メカニズムを、幹細胞からの人工的肝臓構築に応用できる可能性も高い。ここでは、マウス胎児の肝臓発生のメカニズムとその再生医学への応用を概説する。
(注1) 幹細胞:複数系統の細胞に分化できる能力と、細胞分裂を経ても多分化能を維持できる能力を併せ持つ細胞。
(注2) ES細胞:人体を形づくるあらゆる細胞にへと変貌することのできるおおもとの細胞。
(注3) iPS細胞:体細胞に四つの遺伝子を導入する事で作製することが出来る人工多能性幹細胞。 |
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「参加料」 |
無料 (交流・懇親会参加者は1,000円。軽食・飲物を用意いたします) |
「申し込み」 |
FAXまたはMailでお申込み下さい。
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静岡商工会議所 新産業課(担当: 相磯、小堺)
(代) 054-355-5400 FAX:054-340-5117 (専用)・ 352-7817
mail:info2@nio-s.net
※学校側との積極的な交流を図るためにも、ぜひ交流会までご出席下さい。
※ 尚、申込書にご記入いただいた情報は、当日名簿として配布するほか、静岡商工会議所からの各種連絡・情報提供に利用する事がありますことを、ご了承下さい。 |