第86回(平成26年度第1回)のご案内をします。 今回は東海大学にご協力いただき、下記内容の講演を開催します。是非この機会に大学関係者・講演者と交流され、今後の事業活動にお役立ていただきますようご案内申し上げます。
東海大学
「物流の経済性と食品の安全」に関する提案
講演1 『 物流における資源の最適配分問題 』
東海大学 海洋学部航海工学科 准教授 新谷 浩一氏
新谷 浩一氏
Keywords:物流問題、資源の最適配分問題、コンテナ輸送、折りたたみコンテナ 現在、そこそこうまく機能しているシステムがあるとする。しかし、実はもっとよいやり方があるのかも知れない。それを考えることは「急がないが重要なこと」に位置づけられる。それを考え、実行に移したら、劇的に変えられるかも知れない。 物流問題の多くは、資源の最適配分問題である。ただし、一筋縄でその答えを求めることはできない。なぜなら、その答えが0や1、整数であるからである。これまで国際海上コンテナ輸送における資源の最適配分問題を研究してきた。本講演では、次の2つのトピックについてお話ししたい。いずれも近年の国際的貿易不均衡によって深刻化している空コンテナの回送問題に関する研究である。 (1)空コンテナの回送を考慮したコンテナ航路ネットワーク問題・・・コンテナ船の航路ネットワーク問題に、本船による空コンテナの回送問題を組み込んで考えることによって、経済的にどのような効果があるのか? (2)折りたたみコンテナの経済性・・・折りたたみコンテナは、空の状態で折りたたんで束ねて荷役、輸送することができる。折りたたみコンテナは、経済的にどのような効果をもたらしてくれるのか?
講演2『 フードチェーンを意識した食品の安全確保の取り組み 』
東海大学 海洋学部水産学科 教授 山本 茂貴氏
Keywords:フードチェーン、食の安全・安心、リスク低減、HACCP 近年食品の安全を脅かす事件がたびたび起きており、消費者の食の安全・安心に対する関心が高まっている。しかしながら、100%安全な食品は無いという考え方が主流になってきており、食品の衛生管理はリスクを低減させることを目的に行われるようになった。日本でも2001年9月のBSE発生を契機にリスク分析の考え方で食品の衛生管理を行うこととなり、行政組織が改組された。厚生労働省及び農林水産省はリスク管理機関であり、内閣府・食品安全委員会は食品のリスクを評価する機関である。リスク分析の要素としてリスクコミュニケーションがあるが、すべての機関が関連している。 近年、食品の衛生管理手法としてHACCP (Hazard Analysis Critical Control Point、危害分析重要管理点)方式が導入されており、我が国でも厚生労働省の承認制度が乳・乳製品、加熱食肉製品、レトルト食品、魚肉練り製品、清涼飲料水などに適用されている。 これからの課題として、食品のリスクはゼロではなく、リスクの程度を理解しながら、生産者、製造者、流通、消費にいたる全てのフードチェーンで食品を取り扱う者は衛生を管理していく必要がある。消費者も与えられるものをそのまま信用するのではなく、食品衛生に関する知識を高め、自らの判断を含めて、食の安全・安心を確保する必要がある。
(日本食品衛生協会HPより)