第97回(平成27年度第5回)産学官交流のご案内を致します。 静岡大学にご協力いただき、下記内容の講演会を開催します。是非この機会に大学関係者・講演者と交流され、今後の事業活動等にお役立ていただきますようご案内申し上げます。
静岡大学
「未来の高度交通システム/花の環境ストレス適応の紹介」
講演1 『車々間通信で実現する事故防止・自動運転・運転者支援 』
静岡大学 総合科学技術研究科工学専攻准教授 石原進氏
Keywords:高度交通システム(ITS)、車々間通信、運転者支援、自動運転
IT技術を用いた高度交通システム(ITS)によって自動車を取り巻く世界が今後10年以内に大きく変わろうとしています。米国運輸省道路交通安全局は2014年、早ければ2017年から車々間無線通信機能の新車搭載を義務づけるとの見通しを示しているほか、トヨタは今年9月30日、路車間・車々間通信を活用した運転支援システムを年内に3車種に展開して発売すると発表しています。また、自動運転技術は2017年には高速道路での一部実用化、2025年には都市部を含む完全自動運転の実用化が見込まれています。 本講演では、高度交通システムが目指す未来について紹介します。とくに、無線通信に基づく高度交通システム〜車々間通信による協調型安全運転支援システム、インフラ協調型の安全運転支援システム、情報提供システム〜について最新動向を交えて実用に伴う課題とともに紹介します。また講演者が取り組む車々間通信による「リアルタイム画像カーナビ」システム、自動隊列走行に対する通信妨害攻撃に対する対策についての研究成果について紹介します。
<略歴> 1972年生まれ。 名古屋大学工学部卒業、同大学大学院博士後期課程修了、博士(工学)。主な研究分野は、モバイルネットワーク技術、アドホックネットワーク、センサネットワーク。近年は車々間通信を用いた車載カメラ映像の共有システム、協調型安全運転支援システムのための無線通信制御、自動隊列走行システムのための通信制御手法など車々間無線ネットワークに関する研究のほか、下水管検査のためのセンサネットワーク開発に取り組んでいます。著書には「コンピュータネットワーク概論」(共立出版)、「シミュレーション」(共立出版)など。訳書に「802.11無線ネットワーク管理」(オライリー・ジャパン)があります。
講演2 『花は分子によって環境ストレスに適応する』
静岡大学 創造科学技術大学院教授 渡辺修治氏
Keywords:花、ストレス適応、香り、花芽誘導
一端地上に発芽発根した植物は、生物的、非生物的な多様なストレスから逃れる代わりに多様な環境適応能力を有しています。日本で周年栽培されているバラの花の中には、暑い夏の時期だけ香り分子の創り方(生合成経路)を変化させるものがあります。 また、水田で良く見られるアオウキクサは乾燥すると、子孫を残すための花を咲かせる分子を創り出します。このように植物は新たな分子を創ったり、分子を創る方法を変えて環境に適応しています。バラの香りと花を咲かせる分子を例に挙げてその仕組み:分子機構と分子の活用の夢を語ります。
<略歴> 1950年浜松市生まれ。 静岡大学工学部卒業、東京大学大学院農学系研究科修士・博士(農芸化学専門課程)修了、農学博士、大正製薬株式会社総合研究所を経て静岡大学に着任。研究・教育:化学、生化学的な研究手法を駆使して生理活性低分子を切り口にして植物の生理的現象を明らかにしようとしています。最近はバラ、チャ葉の香りの生成機構とその環境要因による変化、アオウキクサの花芽誘導分子の構造・活性相関研究に注力しています。生体機能分子工学(工学部)、生体機能分子特論(修士)、ケミカルバイオロジー(博士)の授業を担当しています。趣味は家、庭の改造、油絵です。