第99回開催のご案内をします。今回は、静岡農業高校を会場に、大学研究者、企業、高校関係者が講演や発表を行います。講演者や発表者等と交流を持ち、今後の企業・食品関係者活動等に活かしてもらえば幸いです。ご参加よろしくお願いします。
「地元食文化の再構築など」
研究発表1 『「ラズベリーパイ」 を用いた定点カメラの製作 』
静岡県立科学技術高等学校 情報システム科
近年、スマートフォンやデジタルカメラに保存される情報量も多くなり、色々なデータ管理方法が使用されています。そのような中で私たちは、データの共有やバックアップのため、独自のサーバ構築に着目しました。そこで、「ラズベリーパイ」でサーバの製作を行い、スマートフォンやパソコンなど様々なデバイスとの共有に成功しました。今回は、私たちの研究をもとにして「ラズベリーパイ」の概要やその利用価値についてご紹介致します。
研究発表2 『志太の発酵文化の継承と創造 〜米の花を紡ぐ物語〜』
静岡県立藤枝北高等学校 農業クラブ部
志太地域は、酒蔵が5軒もある発酵文化が息づく町です。和食が見直されている今こそ、高校生の私たちが、志太の発酵文化を継承し創造しようと試みました。 無農薬栽培の稲穂から糀菌を採取し、日本酒や味噌、スイーツ等の新商品を開発しました。また、発酵食は健康に良い効果があるため、発酵体験教室や発酵食コンテストによって普及活動を行っています。
企業発表 『「静岡の食文化の創造と発信」を柱に地元の食材の価値を高める商品づくり』
(株)なすび 常務取締役 総支配人 赤堀真太郎氏
静岡県は日本一高い富士山や日本一深い駿河湾をはじめとする多様な風土に恵まれ、多彩で高品質な農林水産物を生産しています。生産される農林水産物の数は、1143品目と全国トップクラスを誇り農林水産大臣賞数も常に上位を占めるなど、いわば「食材の王国」です。我々静岡県民が普段何気なく食している食材を、もう一度歴史や文化を紐解きその食材にスポットをあてて再構築し価値を高め、県内外のお客様に発信している商品開発事例や、地元企業様や生産者様との共同開発などに特化した当社独自の取り組みを中心にご紹介致します。
講演 『健康長寿を支える、フードサービス産業を介した食環境整備』
静岡県立大学 食品栄養科学部 准教授 市川陽子氏
消費者への食の提供行為を、社会システムや技術を担い、事業として遂行していくことをフードマネジメントと呼びます。そこに健康の視点を取り入れると、人々が望ましい食生活を営むためには、具体的で根拠のある食事方法に関する「情報へのアクセス」と、健康的な食事や食品の求めやすさを指す「食物へのアクセス」とを合わせた「食環境」の整備が不可欠です。演者は、機能性成分を有す食品、疾病予防に寄与しうる食品の選択や組合せによる安全な食事への応用とその効果について、科学的根拠を以て提案するための研究活動と同時に、その成果をフードシステムにつなげ、食品スーパー、コンビニ、ドラッグストア、惣菜・弁当メーカー等へのレシピ提案を行ってきました。また、近年静岡県でも問題と なっているシカ、イノシシによる食害問題の解決に向けて、これらの肉を食資源として利活用するための食肉特性の解析、調理・加工法の集積、製品開発を進めています。 今回は、人々の健康をサポートする食環境整備と、有害鳥獣類の食資源化の2つの取組みをご紹介致します。