講演1　『 複合現実(Mixed Reality)を活用した不可視光情報の3D空間表現 』

静岡大学 情報学部 情報科学科 電子工学研究所 助教 加瀬 裕貴 氏

3DX線CT技術を代表とする不可視光情報は近年注目されており、医療分野・非破壊検査分野・セキュリティなど幅広い分野で使われております。本講演では、複合現実（Mixed Reality）技術を活用して、X線CTデータを三次元的に視覚化し、自由な位置・方向から観察できる新たな基盤技術の開発について紹介します。

X線CTで撮像した情報は専門家でないと違いが分からず、面白みのない画像ができていますが、三次元で表現すると内部の構造が空間的に分かりやすく表現されます。私たちの研究はこれからの医（医学）・工（工学）・情（情報学）連携や、産官学間連携を推進しています。

加瀬先生の研究室のホームページ

https://wwp.shizuoka.ac.jp/vision-i/

【略歴】
2016年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、株式会社日本政策金融公庫に勤務。その後、株式会社ANSeeNにてCFOを務め、2023年には静岡大学大学院光医工学研究科で博士号（光医工学）を取得。静岡大学電子工学研究所にて学術研究員や特任助教として研究を続け、2024年5月より静岡大学情報学部情報科学科の助教として就任し、放射線イメージングの研究に取り組んでいます。

講演2　『 カーボンナノチューブの革新技術と産業応用
                      ～未来の製造業を支える最先端研究～ 』

静岡大学 工学部 電子物質科学科 教授 井上 翼 氏

私たちの研究室では、カーボンナノチューブ（CNT）の化学合成とその多様な応用に関する研究を行っています。カーボンナノチューブは炭素からなる直径数ナノメートルの細長い繊維材料で、軽量でありながら電気や熱を良く伝え、高い引張強度を持つことが特徴です。当研究室では、細長いカーボンナノチューブを同じ方向に並べて高密度に合成する技術の開発を進めています。しかし、合成過程で自動的に反応が停止するため、1mm以下の短い繊維しか作れないという課題があります。この課題を克服するため、触媒粒子の活性化時間を延ばし、世界最長のカーボンナノチューブを作る研究も行っています。 さらに、引きそろえたカーボンナノチューブ撚り糸やシート材料を作製し、軽量高強度繊維、軽量配線ケーブル、電磁遮蔽材料などの開発も進めています。また、剣山のように整然と並んだ森状のカーボンナノチューブフォレストを、熱伝導材料や燃料電池、高容量キャパシタなどに応用する研究も行っています。 特に注目すべきは、軽量高強度カーボンナノチューブ繊維が宇宙エレベーター構想において最も重要な軽量線路材料として期待されている点です。私たちは企業と共同で、宇宙エレベーターの実現に向けた研究も進めています。このように、カーボンナノチューブの特性を最大限に活かし、未来の技術革新に貢献するための研究を日々行っています。

井上研究室のホームページ

https://cnt.eng.shizuoka.ac.jp/

【略歴】
神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻修士課程卒業後、1995年日本電信電話株式会社に入社、その後2000年神戸大学大学院自然科学研究科システム科学専攻博士課程修了後、静岡大学工学部助手、同准教授を経て2008年カリフォルニア工科大学（米国）客員准教授として赴任、2017年に静岡大学工学部教授となり現在に至る。研究は金属・半導体ナノ粒子分散薄膜の電子輸送現象、窒化ガリウムのナノワイヤー成長、長尺・高速・高紡績性CNTアレイの成長と応用がある。

FAX、Mailまたはお申込みフォームでお申込み下さい。

FAXで申し込む場合はこちら

メールで申し込む場合はこちら

お申込みフォームから申し込む場合はこちら
スマートフォンの方は、右のQRコードからお申込ください。

静岡商工会議所　産業振興課（担当：水越、堀川）
TEL：054-355-5400　FAX：054-352-7817
E-mail:info@siip.jp

※ 申込書にご記入いただいた情報は、静岡商工会議所からの各種連絡・情報提供に利用する事がありますことをご了承下さい。